考察コーペレーション!

ツイステッドワンダーランドの考察サイト。性格がてんで違う友達ふたり、あおばとみどりで運営してます。

機巧ハートウォーミング!ーオルトについての考察ー

さて、スケアリーモンスターズ真っ只中ではありますが、5章の次に来るであろう、イグニハイド編に備えて、今日は謎多きキューティー蒼井翔太さんボイス・オルト君について考察しておきたいと思います。
先日、相方・あおばたそと『ヘラクレス』上映会もしまして、それをふまえた考察になっています。パーソナルエピソードの内容や過去イベントストーリーもふんだんに出てきますので、イデア&オルト兄弟のカード収集が進んでいない方や、『ヘラクレス』をご覧になったことがない方は回れ右でお願いします。

だいじょうぶな方はこの兄弟の尊みに、共に涙しましょう。ハンカチ持参でよろしくお願いします。


目次
・生い立ち
・モチーフはだれか
・描かれかた
・今後の展開


〇生い立ち
オルト(実験着)の台詞で「僕を作った兄さんの方がすごいよ」と言ってますので、イデアが作った「なにか」であることは間違いないでしょう。
イデア(式典服)でリドルが「あのロボット」と言っているように、周りはロボットだと理解しているようですが、イデア先輩の技術力、オルト君の胸でドキドキと脈打つ炎、などを鑑みると、「(一般的な)ロボット」とは一線を画す存在かもしれません。
ちなみにイベント『星に願いを』で、イデア自身も「宇宙と人型ロボのコラボはロマンですし」と言ってるのですが、彼の場合、このあとに「(といっても、オルトきゅんはただの人型ロボではなく拙者が持ちうる技術を結集させた◯◯と言った方が正確なんですけどね!)」とか思っていてもおかしくはないかなと思います。
ただし、身体についてはアズール(実験着)でグリムが「オルトって本当にマシンなんだな」と言っているように、やはり完全な機械で、臓器などは一切含まないもののようです。
ですので、見た目では分からない要素、たとえば「魂」などがあの身体に宿っている可能性はあるかなというのが、みどりの見解です。

『星に願いを』で、レオナに「弟はお前と性格が全然違うな」と指摘された際に、イデアは「オルトは素直で明るくて人見知りもしない。今のオルトもその性格は継承していて…」と答えます。
「継承」ということは、元となるものがあり、「今のオルト」はそこからなにかを引き継いでいる、ということ。ここでは「オリジナルオルト」とも呼ぶべき存在が先にいて、今の機械のオルトへ「性格」をなんらかの方法で引き継がせた、というニュアンスが感じられます。

私はツイステを始めた当初、オルトはイデアが作った助手ロボットのようなものなのかなと思っていました。(弟というのは架空の設定、ということ)
しかし、『星に願いを』で、ふたりは『スターローグ』というゲームについての「思い出」を語り始めます。イデア(星送りの衣)の台詞です。

「兄さん、本当に好きだよね。そのレトロゲーム。」
「オルトも好きだったろ?2人で何度全クリしたことか。」
「やりすぎて、ゲーム機の電源コード隠されたこともあったっけ」

これはまさに「オリジナルオルト」と、イデアの思い出だと言えるでしょう。きっとどこのご家庭でも一度はある、電源コード隠しが微笑ましい思い出です。
このやりとりのあと、イデアはこう思います。

「(……オルトがあの祭りに真剣なのは、拙者の願いを叶えたいから)」
「(そして、'今の'オルトと僕の思い出(メモリー)を増やしたいからだ)」

さて、ここで問題なのは「オリジナルオルト」とはなんだったのか、です。生身の人間「オルト=シュラウド」がいたのか、それともオルト初号機的なものがいたのか。
ここで重要台詞がオンパレードのオルト(実験着)の台詞を見てみましょう。

オルトを前にイデアが、
「お前にこんなにたくさんの機能をつけて、僕はなにがしたかったんだろう。最先端の医療ツールなんか今更つけても意味なんかないのに…」
「だって……、だって、元はといえば、僕が……」
とうなだれます。

ここで重要になるのが、リリースカウントダウンイラストに添えられた台詞です。攻略サイトなどに残されてますので、探してみてください。
オルトの台詞は「キミは生きてる人?だったら兄さんの友達になってよ」でした。

これに前述の内容をふまえると、

★オリジナルオルトと呼ぶべき存在はもう亡くなっており、その原因にはイデアが関わっている
★オルトの死は医療介入で避けられたかもしれない
★オルトの現在の身体に、生身(脳や心臓などの臓器)はなさそう
★オルトは兄さんに「生きてる『友達』」が必要だと思っている

というパーソナリティーが推察できると思います。
原典『ヘラクレス』では「星」が重要なモチーフになっていますが、それを考えると、イデアとオルトの「これまで」を垣間見せるのに『星に願いを』ほど適格のイベントはなかったのでしょうね。
私は問題解決の方法といい、『星に願いを』は大好きなイベントでした。相方・あおばが、そのときはまだツイステをしていなかったので、運営さん、早くイベントの復刻してくださいまし。

〇モチーフはだれか
さて、これについてはどこの考察サイトも難航していて、地獄の番犬・ケルベロスの弟「オルトロス」が名前の由来だろう、ということにのみ言及している方が多いかなという印象です。
今回はあえてその「考察沼」にギャアアアとハマりながら、更に深い検討をしていきたいと思います。(ズブズブズブ)

結論から申し上げると、私は『ヘラクレス』の主人公、「ヘラクレス」がオルトのモチーフなのではないかと考えています。
理由をあげていきましょう。

★「永遠の命を奪われたヘラクレス」と「永遠の命(身体)を与えられたオルト」というツイステッドとして読み解くことができる
原典『ヘラクレス』で、ヘラクレスはハデスにより神の子の身体(永遠の命の身体)を、人の子の身体(有限の命の身体)に変えられてしまいます。
原典でヒーローであったキャラをモチーフに持つ人物に「ツイステッド(設定のねじれ)」が起きていると考えられることについては、カリムきゅんの考察記事で書きました。よければぜひ、そちらとあわせて読んで頂きたいのですが、さておき。
『ツイステッドワンダーランド』という作品は、原典のストーリー展開や台詞を、非常に大切になぞっています。
オルトがヘラクレスモチーフだとすると、この冒頭の展開がキレイに回収されることになります。

★「ハデスを滅ぼす存在」から「イデアを支える存在」へのツイステッドとして読むことができる
原典『ヘラクレス』では、ヘラクレスはハデスの野望を打ち砕くと予言された存在でした。(だからこそハデスはなんとかしてヘラクレスを排除しようとしたわけです)
オルトはむしろ、その逆で、「兄さん」が大好きで、おかあちゃんかしら?というくらいイデアのことを気にかけています。(詳しくは次項)
私がこのブログで度々申し上げている「原典主人公をモチーフに持つキャラに起こるツイステッド」が、意図的に設定されてるなら、これもヘラクレスのツイステッドとしてみていいのかなと思います。

★強靭なパワー
ヘラクレスは腕っぷしの強さ、オルトは搭載してるアタッチメント(主に魔導エネルギー砲)の強さという違いがありますが、一応「見かけによらないパワーの持ち主」という共通項があります。
ヘラクレスは赤ちゃんの段階で、ハデスの指を赤子の手をひねるようにメシャッとしますし(赤子なのに)、オルト君はキュートな見た目の割に兵器ばりの機能を搭載していますよね。

★素直で明るい性格
原典『ヘラクレス』のヘラクレスは、少年期こそ友達のいない自分をふりかえり、「ここは僕の居場所じゃないような気がする」とこぼしたりもしますが、基本的には明るい性格をしています。
ヒロイン・メグも「彼は正直で、私を裏切ったりしない」と言っています。
「子どもらしさ」の表現としての、素直さ、明るさかなとも思いますが、ヘラクレスの性質を表現しているとみてもいいのかなというのが私の見解です。

〇描かれかた
オルトは『ツイステッドワンダーランド』でも、とても特殊なキャラで、年齢は「不明」(マレウスや、リリアは『???』)、得意科目や好きなものなど、ほぼすべての項目が「なし」となっています。
そのなかで明記されている数少ない情報が、「趣味 ボードゲーム」「嫌いなもの 落雷」というものです。
静電気でデータが飛ぶなんていうくらいですから、そりゃあ落雷は怖いですよね。彼の大事な「メモリー(思い出)」が飛んでしまうわけですから。(そもそも、それだけじゃ済まない気もしますが…)
趣味がボードゲームというところは、イデアボードゲーム部であることを思い起こさせますよね。イデアの方は「趣味 コンピューターゲーム」となっていますから、あえて「ボードゲーム」としているのは、なにか思い出がそこにあるのかもしれません。

それほどにオルトにとって、「兄さん」は大切な存在です。『星に願いを』では、ラギーに「もっと自分の欲望をむき出しにした方がいい」と言われ、心のなかでオルトはこうつぶやきます。

「僕の願い…僕の欲望…」
「それが'兄さん'なんだ」
「兄さんの願いが叶うことが 僕の一番嬉しいことなんだ」

これを読んだとき、私の涙はもうナイアガラの滝でした。
オルトにとっては、「兄さん」こそが、すべての原動力なのでしょうね。


・今後の展開
さて、前述した通り、オルトのカウントダウン台詞は「キミは生きてる人?だったら、兄さんの友達になってよ」でした。
また、オルトはしばしば「兄さんは本当はすごい人なんだ」と言っています。

こうした発言に、ここまでの考察をふまえますと、可能性としては

★オルトの死をキッカケに、イデアの性格が豹変してしまった(前はもっと社交的だった、など)
★自分の存在が兄さんの「足かせ」になっているようにオルトは感じている(オルトとの過去がイデアの行動を制限している、など)

といった関係が、この兄弟の間にはあるのではないかと推察されます。
となってくると、6章では兄弟の過去が明らかにされると共に、イデア、オルトのふたりが互いに互いから「解放」されるという展開になるのかなあと思っています。
イデアはオルトに遠慮せず自己実現し、オルトもイデアの今後を心配せずによくなる…というような感じでしょうか?


ということでオルト=シュラウド君について、考察してみました。
私から申し上げたいのはひとつ。

兄さんとしあわせになって…
思い出もいっぱい作って…

私の願いはただそれだけです!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!(み)

悪行ユーティリティ! ―ユニーク魔法とヴィランズ―

スケアリードレスのイデアの「フヒヒ」が殊更可愛いと感じるあおばです。
猫吸いたいですね。


さて本日は、グレート・セブンをモチーフとしたキャラクターのユニーク魔法について、これまでの傾向を整理し、これ以降の予想を立ててみたいと思います。



以下、本編に関するネタバレを含みます。




現在(2020年11月 / 5章前半まで)のところ、オーバーブロットしたキャラクターはすべて、グレート・セブンであるヴィランズをモチーフとしている。
また、オーバーブロットするキャラクターのユニーク魔法は、原典作品におけるヴィランズの特技または業績をモチーフとしていると考えられる。



【公開されているストーリーについてのまとめ】

1章 
オーバーブロットしたキャラ:リドル
想定されるモデル:ハートの女王(不思議の国のアリス
ユニーク魔法:首をはねろ(オフ・ウィズ・ユア・ヘッド)
ユニーク魔法の効果:対象の魔法を封印する
由来:女王が、アリスをはじめ様々な登場人物の首をはねようとしたことから。

2章 
オーバーブロットしたキャラ: レオナ
想定されるモデル:スカー(ライオンキング)
ユニーク魔法: 王者の咆哮(キングス・ロアー)
ユニーク魔法の効果:対象を干上がらせて砂に変える
由来:スカーが王位を奪ったのち、プライドランドが荒廃したことを指すか?

3章 
オーバーブロットしたキャラ: アズール
想定されるモデル:アースラ(リトルマーメイド)
ユニーク魔法:黄金の契約書(イッツ・ア・ディール)
ユニーク魔法の効果:契約に基づいて対象の能力を奪う
由来:アースラがアリエルやトリトンと契約を結んで能力を得たことから。

4章 
オーバーブロットしたキャラ: ジャミル
想定されるモデル:ジャファー(アラジン)
ユニーク魔法: 蛇のいざない(スネーク・ウィスパー)
ユニーク魔法の効果:対象の意識を奪い命令通りに動かす
由来:杖を用いて国王を操っていたことから。



【未公開部分に関する予想】


5章

これまでの流れに従えば、オーバーブロットするキャラクターは
「美しき女王」がモデルのヴィルであると予想される。
ヴィルの能力については既に公開されている(本人の説明が正しければ、だが)。
オーバーブロットするキャラ:ヴィル
想定されるモデル:ウィックド・クイーン(白雪姫)
ユニーク魔法:美しき華の毒(フェアレスト・ワン・オブ・オール)
ユニーク魔法の効果:触れたものに呪いをかける
由来:白雪姫に呪いのかかった毒リンゴを与えたことから


6章
ハデスをモデルとするイデアがオーバーブロットするものと予想される。
ユニーク魔法の由来については、以下のような可能性が考えられる。
・巨人や手下を用いていること
 →大型ロボや使い魔などを使役する魔法
・不死のヘラクレスをヒトにし、殺せるようにしたこと 
 →対象の防御を無効化する魔法、弱体化させる魔法
・人質をとって目的を遂げようとしたこと
 →何かを奪い、条件の達成と交換で返還するような魔法

7章

マレフィセントをモデルとするマレウスがオーバーブロットするものと予想される。
ユニーク魔法の由来については、以下のような可能性が考えられる。
・16の誕生日までに糸車で指をさして死ぬ、という呪いをかけたこと
 →時限つきの即死魔法
・茨の蔓で城を覆ったこと
 →物理防御を展開する魔法(場合によって攻撃も)
・竜に変身して戦ったこと
 →竜に変身する魔法
ただし「呪われる」「竜に変身して火をふく」は一般市民にも囁かれている噂であり、
過去にマレウスがユニーク魔法を披露したエピソードがあるのかもしれない。

(あおば)

併存バイオグラフィー! ーツイステッドワンダーランドの原典主人公たちー【随時更新】

ヴィランズと原典「主人公」が併存している

ツイステットワンダーランドにおいては、ディズニーヴィランズがグレートセブンと呼ばれ、「この世界にかつて存在した偉大なる存在」として尊敬を集めているようだ。

同時に、ディズニー映画(以下「原典」とする)においてヴィランズと対立した「主人公」サイドのキャラクターたちの存在や行動も伝わっており、ひとつひとつのエピソードは原典と矛盾がない。

この記事の内容は、筆者(あおば)のカードの収集や物語の進行に沿って、随時更新していく。

 

以下、ゲーム本編のネタバレありです。

 

 

不思議の国のアリス

アリス

・女王が「城に迷い込んだ子どもとクロッケーを楽しんだ」(ケイト おしゃべり3)

・「身長1kmの巨人が法廷で暴れた」と古文書に記されている(デュース おしゃべり4)

 

ライオン・キング

シンバ

・「変わり者のライオンが虫を食ってたらしい」(ジャック おしゃべり2)

 

ティモンとプンバァ

・イボイノシシは「ミーアキャットとコンビ」で「百獣の王の家臣だったとか」いうことで、夕焼けの草原では人気の動物だが、「詳しくはなんも伝わってない」(ジャック おしゃべり5)

 

【リトルマーメイド】

アリエル

・「海の魔女がした仕事の中で一番有名なもの」は「人魚と人間の恋愛を成就させようと、変身薬を作ったこと」(アズール おしゃべり3)

・「人魚のお姫様も、陸に上がってすぐは上手く歩けなかったんだって」(フロイド おしゃべり2)

トリトン

アトランティカ記念博物館に石像がある(3章27話などの背景)

 

【アラジン】

アラジン

・「ペテン師」が「王女と王様を騙して国を乗っ取ろう」としたが、砂漠の魔術師が国を守った。(カリム おしゃべり1)

 

国王(ジャスミンの父)

・砂漠の魔術師が仕えた王様は「絨毯乗りの名人」で、「鳥と追いかけっこしたり象の股下をくぐったりして遊んでたらしい」(カリム おしゃべり4)

 

【白雪姫】

白雪姫

・女王の城の井戸に「今すぐ誰かに愛してほしい…なんて願ったお姫様もいたとか」(エペル おしゃべり3)

 

狩人

・女王に仕えた狩人は「女王にも、己の心にも」「非常に忠実だったと伝えられている」(ルーク おしゃべり3)

・「狩人はいつも女王の命令に忠実に従った」が「時にはひどい失敗もしたらしい」(ルーク おしゃべり4)

 

7人の小人

・「7人のドワーフ」として伝承があり、ベッドに彫られたモチーフが伝わっている(ルーク おしゃべり5)

 

ヘラクレス

メグ

・「手下に美人な女性がいた」(イデア おしゃべり3)

 

【眠れる森の美女】

オーロラ姫

・「昔、とある国の姫は誕生のお祝いに3つの贈り物を授かったそうだ」「『美しさ』『綺麗な歌声』それから『強力な呪いを和らげる魔法』」(シルバー おしゃべり1)

 

オーロラ姫の父王

・「とある国では姫の誕生を記念して…国をあげての盛大な宴が催された」「しかし茨の魔女だけが招待されなかったらしい」(シルバー おしゃべり3)

・「昔、茨の魔女の呪いを恐れて国中の糸車を燃やした人間の王がいたという」

 

妖精

・「大昔、16年も魔法を使わず子育てをした妖精たちがいたと聞く」(シルバー おしゃべり4)

・「昔、3人の妖精の魔法によりとある城のすべての人間が眠りに落ちたと言われている」(セベク おしゃべり5)

・伝承では「ケーキを焼く前にクリームやろうそくを飾り付け」「卵2個を殻のまま生地に練りこんだ」(リリア おしゃべり5)

・「杖を一振りするだけで体の大きさを変えられた」(リリア おしゃべり6)

 

フィリップ王子

・「茨の谷には、濡れた服を木に干すと動物たちに持っていかれるという言い伝えがある」「大昔の実話だと言われている」(シルバー おしゃべり6)

・「茨の魔女は敵国の王子を城に招いてもてなした」(リリア おしゃべり4)

 

(あおば)

燦々スマイル!ーカリムについての考察ー

キャラ考察担当・みどりです。
今日は私の推しであるカリム君について!
私のガジェットケースにはカリム君の付箋をパッケージのまま、忍ばせています…。カリム君がいるだけで私は1日を乗りきれます…。
そんな魅力あふれる、考察ポイントもあふれる、カリム君について見ていきましょう。

目次
・入学経緯について
・モチーフはだれか
・描かれかた
・ユニーク魔法の活躍の場は?

◯入学経緯について
これは本当につい最近、5章で明かされましたね。Twitterでも随分話題になり、考察が飛び交っていました。5章未読の方はここからはお読みにならないことを推奨します。


カリム君が「選外漏れだか特例だかで」、1ヶ月遅れでナイトレイヴンカレッジにやってきたことが明らかになりましたね。
これは彼のモチーフも絡む問題ですが、ここではまず、それに対するジャミルの「自由になれるところだったのに」という発言に注目していきたいと思います。
スカラビア版CM(個人的には歴代CMで最高の絵コンテだと思います)の最後でジャミルが「これで俺は自由になれるんだ」と言いますよね。見たことない方はアニプレックスさんのYouTubeチャンネルで見られますのでぜひ。
4章で明らかになったように、カリムはジャミルにとって「足かせ」でした。カリム君がいる限り、ジャミルは本領を出すことができない、1番になれない、これがジャミルの抱える問題の中核にありました。
それを自分だけナイトレイヴンカレッジに入学することで、「(カリムがいない場所でなら俺は)自由になれたのに」と発言するのは大変自然な発想だと思います。
だとすると、「ジャミルを自由にしないこと=問題を肥大化させること=オーバーブロットさせること」こそが、ナイトレイヴンカレッジ学園長・クロウリーの狙いだったのではないでしょうか。
つまり、ジャミルをオーバーブロットさせるためのいわば「装置」として、カリム君は入学させられた可能性がある、と私は考えています。また、本編では「金銭的な援助を受けているので」、カリム君を寮長にしたと言っていますが、もし上述のような目的がそもそもあったのなら、これも「ジャミルの心の闇を肥大化させるため」に、カリム君を寮長に指名したというのが真実で、金銭云々は「表向きの理由」と考えられるでしょう。ともかく「アイツがいる限り、俺は一番になれない」という思いをジャミルに募らせる意図があったのではないか、ということです。
オーバーブロットとクロウリーの関係については、クロウリーの考察に譲りたいと思いますが、少なくともカリム君は「本来ナイトレイヴンカレッジに入学するはずがなかったのに、『学園側の事情(もしくは意図)で』入学することになった」というのは大きな情報でしたね。

◯モチーフについて
4章公開前はサルタン王なども候補に上がっていましたが、今となっては「アラジン」で間違いないでしょう。
理由はたくさんありますが、
・「アルアジーム」が「アラジン」のもじりと言える
・4章の「ドッカーーン!」前にみた、監督生の夢が、ジャファーがアラジンを追放するシーンだった
・魔法の絨毯になつかれている
の3点は大きな根拠と言えるでしょう。
他にも原典『アラジン』で、アラジンの言っていた台詞をカリム君が言っていたりもしますね。(アラジンがジャスミンに言う「僕を信じて」をなぞったと思われる、「オレを信じろ」です。4-9『星空ドライブ!』での台詞ですね。)

そうなると、ヴィランズを崇敬し、ヴィランズをモチーフに持つキャラの通う学校である「ナイトレイヴンカレッジ」に、ヒーローであるアラジンをモチーフとするカリム君はやはり来なかったはずの存在だし、来てもかなり「浮く」ことが想定されます。
実際、グリムなどには「ここでは珍しい『いいやつ』」と言われてますし、逆に同学年のラギーには、シルバーと合わせて「いらふわコンビ」(本人たちは天然でふわふわ、周りはイライラの意。レオナ式典服のパーソナルストーリー参照)なんて呼ばれています。
5章で登場するネージュ・リュヴァンシェが白雪姫モチーフであろうことを考えると、彼が通うロイヤルソードアカデミーは、ヒロイン・ヒーローキャラあるいは中立キャラ、要は「ヴィランズでないキャラをモチーフにしたキャラ」が通っていると推察されます。チェーニャも通ってますしね。
だから、本当はカリム君は、ロイヤルソードアカデミーに通うはずだったのではないでしょうか。

と、ここで「モチーフとなるキャラがヴィランズでないキャラ」が「ナイトレイヴンカレッジ」に在籍する場合に共通に見られる現象があります。
それは「設定のねじれ」です。
たとえばカリム君なら

アラジン…こそどろ、頭がきれる
カリム…富豪の息子、考えるのは苦手

という設定のねじれが見られますし、同じくヒーロー・ヒロインをモチーフとしていると思われるシルバーも、

オーロラ姫…16歳までに死ぬ呪いをかけられる
シルバー…17歳まで無事に生き延びている

という「設定のねじれ」が認められます。チェカ(モチーフはシンバだと設定資料集でも明かされています)も、原典『ライオンキング』ではスカーに復讐をしますが、ツイステッドワンダーランドでは「おじたん大好きっ子」ですよね。これも「設定のねじれ」かなと思うのですが…ただ、シンバは幼少時はスカーを信じているので、ちょっとカリム君やシルバーと同列に語っていいかは微妙なところです。
5章中編以降でネージュが実は腹黒キャラでした…というような展開にでもならない限り、基本的には「ヴィランズでないキャラをモチーフとする人物が、ナイトレイヴンカレッジに在籍する場合、『設定のねじれ』が起こる」、この理解でよいと思われます。

〇描かれ方
・赦しの心
カリムはかなりあっけらかんとした人物として描かれていますが、そこには深い赦しの心と慈愛があることが5章で分かりました。
「王様になったコソドロ」の話をするシーンで、カリムは「過ちに気づけたのに、名誉挽回のチャンスがないなんて。オレはそんなのヤダよ。」と語ります(5-34『挽回プリンス!』)。ここで彼が言う「過ち」は泥棒をしていたこと、つまり悪事を働いていたことです。カリムはホーム台詞(制服)で「ガキの頃から両手じゃ数えきれないくらい誘拐されてるからな。」という話をしています。つまり、アジーム家の跡継ぎとして、四方八方から幾度となく命を狙われていたわけです。それでもカリム君は「過ちに気づいて、名誉挽回するチャンスがみんなにあってほしい。そのためにオレは(誰かの過ちのために)死んではいけない」と考えているわけです。
5章でこの「慈愛」を知ったとき、私の涙はもう、もう、イグアスの滝でした。
これを慈愛と言わずして、なんと言いましょう。
カリム君の特技は「毒の鑑定」ですが、これについても「料理人や同じテーブルについてる誰かを疑いながら食べるより、美味しく食べたいじゃんか」という理由、そして上述の「(誰かの名誉挽回のチャンスを奪わないために)オレは生きていなければいけない」との思いで身につけた、と言っています。
スカラビア版CMはカリム君の「ジャミル、お前は絶対オレを裏切ったりしない」という台詞で始まります。それだけたくさん、カリム君は他者に裏切られてきたのでしょう。
それでも他者を信じようとする、信じていたい、そんな思いの強い子としてカリム君は描かれていると言えるでしょう。

・人を愛していたいカリム君
また、カリムはホーム台詞(制服)で「(弟がいっぱいいるから)年下の扱いは慣れているんだ」ということも言っています。また同じくホーム台詞(運動着)では「やっぱり年下って可愛いもんだよな。俺も今度実家に帰ったら、きょうだいみんなに会いに行こう」とも言っています。自分の命を狙うかもしれない兄弟たちを、カリムはそれでも愛しているわけです。
4章でもカリムは、ジャミルに裏切られたと知ってなお、「大好きだ」ということを止めませんでした。こうしてみると、彼の強い「他者を愛していたい」という気持ちが見てとれると思います。
4章でも寮生たちが、自分たちがカリムの優しさに助けられてきたことを回想するシーンがあります。イベント『フェアリーガラ』でも、具合が悪い妖精を助けてあげていました。助けてあげたいけど、どうしていいか分からなくてとにかくジャミルを呼んでくるあたりも含め、とても愛おしいシーンです。
本当にカリム君は、どこまでもどこまでも他者に好意的にありたいのだと思います。
その思いの強さは、イベント『星に願いを』で「みんなが幸せになれますように」と願ったほどです。
それが、「人が好きだから」なのか、それとも「愛されたいから」なのかは分かりません。
いずれにせよ、どこまでも他者を愛そうとし、宮沢賢治風に言うところの「全体の幸福」を願うカリム君を、私は推さずにはいられないのです。

〇ユニーク魔法の今後の活躍どころ
さて、そんなカリム君らしいユニーク魔法が「少しの魔力でたくさんのおいしい水を出せる」、『オアシスメイカー』です。
「少しの魔力で」というのがポイントですよね。4章でそうだったように、自分への負担は少ないまま、大量の水(しかも飲用可能)を出せるわけです。
まずひとつには5章での活躍が気になりますね。ここまでの流れでは前の章で監督生が問題解決に関わった寮の寮長たちが、問題解決の手助けをし、ユニーク魔法も活かしています。
5章前編ではひとまずダンス指南役として、監督生を助けたカリム君。『オアシスメイカー』はどのような活躍をするのでしょう。
やっぱりVDC会場で火事が起きてしまって、その消火活動にあたる、とかかな?
それともダンスの演出として、カリム君のユニーク魔法でシャワー降らせて「水もしたたるいい男×7」でもするのかな…ワク…ソワ…
ゆくゆくはデュースの「出でよ!大釜!」とコラボして、とてつもなく大きな(あるいは大量の)なにかを錬成する展開とかも見たいなと思っています。

【結論】
カリムきゅん、しあわせになって

私の願いはひとつです、はい。
以上、4章でカリム君のピュアネスと、ジャミル様の「俺だって一番になりたい」といういじらしさにスカラビア沼ドボーンした、みどりがお送りしました!
スカラビアはニコイチ…(み)

百獣レディーファースト! ―夕焼けの草原はどこか?―

ケイトによると、レオナの地元は「レディーファーストな社会というか、女性をすごく敬う文化がある」(ケイト・制服)。ラギーによれば「夕焼けの草原の女性は腕っぷしも強め」で「王宮の近衛兵も半分以上が女性」、「現場の訓練を見るたび、オレも、「女性には絶対に歯向かわないでおこう」って思う」(レオナ・式典服)とのこと。これが何を意味するのだろうか。

 

【① 平和な国であるor近衛兵が戦闘行為を行っていない】

女性の近衛兵というのは、さほど珍しくない。カナダやスウェーデン王室も女性を採用している。ただし、女性の戦闘員は稀である。女性兵士に対して戦闘任務を解放している軍隊を有する国は、世界でも圧倒的に少数である。

 

【② 女性がガチで強い(物理)】

女性が白兵戦に参加できない理由として、体格や体力そのものの性差を除くと、捕虜になった場合の安全確保の困難、負傷時に同じ隊の兵士が動揺すること、隊の中での性的暴行の横行、などが問題であるとされる。これらは全て、オスのほうがメスより2割ほど体が大きく力も強い、というヒトの生物学的特性に由来するのではないだろうか。もし、何らかの理由(夕焼け平原の大多数を占める獣人たちの体質の違いなど)で、女性が物理的に、男性と同等以上に屈強であるとしたら、前述の問題は解消される(そもそも発生しない)と想像される。

 

【③ 深刻な人手不足】

戦争を頻回に繰り返していたり、捕虜や奴隷として男手を失った集団は、やむなく女性兵士を前線に投入せざるを得ない場合がある。

 

19世紀に記録されている西アフリカ「ダホメー王国」の女性軍などは、王宮の護衛軍を女性が務めていたこと、奴隷として男性が多く略取されたことなどの影響から成立したと考えられている。このような場合、女性が男性からの支配を受けているような背景があれば特に、そこからの脱出を求めて従軍する女性兵士が増える。兵士として自立し、収入を得れば、”産む機械”扱いを免れられる、ということである。つまり、「女性が強いから」女性兵士を多く登用する可能性と、「女性が弱いからむしろ」女性兵士に志願するものが増える可能性の2方向が考えられるのである。

 

「女性をすごく敬う」「腕っぷしも強め」という表現が現実を適切に反映したものであれば、「女性が強いから女性兵士が多く登用されている」と理解することが適切であるであろう。

ここで、考えたいのは、

 

夕焼けの草原のモデルとなった国/地域はどこか?

 

ということである。

「サバナクロー寮」にはジャックなど夕焼け草原以外の出身者もいる。具体的に登場してはいないが、エペルがサバナクロー寮を希望していたことから、ヒトの寮生もいるものと考えられる。ゆえに、サバナクロー=夕焼けの草原ではない。だが、ここではまずサバナクローを考察の起点としたい。

語源は、その綴りから「サバンナ」+「爪」であろう。サバンナは熱帯の草原地帯を指す。もとはアフリカ中央の草原隊を呼んだ語であるが、南米にも同様の草原地帯が存在する。

ここから、まず、アフリカまたは南米のサバナ的草原地帯であると目星を付ける。ライオンもハイエナもいるんだからもうアフリカでええやん...という気もするが、一応確認しておこう。

南米は、主にスペインとポルトガルの植民地にされ、原住民の激減を受けて黒人奴隷が大量に流入した地域である。現地人のほかに、植民地時代の本国の人間、連れてこられた奴隷をルーツとする人々が多く住んでおり、現在では混血も進んでいる。

アフリカは、イギリス・フランス・ポルトガルを中心に植民地化の勧められた地域である。西アフリカを中心にフランスの植民地となっている。

さて、ここで、サバナクロー寮以外の「夕焼けの草原」出身者のことを思い出していただきたい。怪しげなフランス語を操る狩人、ルーク先輩である。ただの酔狂でフランス語を話している可能性もあるが、というかその可能性が高そうだが、もしかすると夕焼けの草原では”フランス語”が通じる可能性がある。

世界のフランス語圏を確認してみよう。ヨーロッパのほか、北米とアフリカ大陸の西側に広がっている。南米には、北東部に仏領のギアナという県があるが、ここは降水量が多く熱帯雨林であって、サバンナではない。サバンナで、かつ、フランス語圏であるのは、西アフリカのエリアである。

 

このことから私は、夕焼けの草原のモデルとして、ギニアニジェールなどの西アフリカの国々を挙げたいと思う。
ちなみに、前掲の女性軍を有したダホメー王国は、フランスに征服された後に共和国として独立し、現在のベナン共和国となっている。ベナン共和国公用語はフランス語である。

 

 

2020.11.1追記

カリムのスケアリードレスのストーリーで、ルークが「狼たちとは夕焼けの草原でよく戯れていた」と話している。

一般に、アフリカに「オオカミっぽいオオカミ」は生息していないが、近年までジャッカルに分類されていたCanis anthus(ゴールデンウルフないしキンイロオオカミ)が、やはり西アフリカからエジプトにわたって生息している。このことから、「西アフリカ」という仮説が支持される。

それにしても、ロア・ドゥールに金色の狼とはなかなか良い取り合わせではないだろうか。 

(あおば)

混淆オリエント! ―熱砂の国はどこか?―

ごそれぞれの寮・キャラに特色のある「ツイステットワンダーランド」ですが、どうやら、かなり、世界観の作り込みも丁寧なようです。

ここでは、各キャラの出身地のモデルなどを探していこうと思います。
推しの出身地を正確に推定することができれば、推しと同じものを食べ、推しと同じ服を着、推しと同じ暮らしをすることも夢ではありません。夢のようですね。では頑張ってまいりましょう。

記念すべき第一回は「熱砂の国」です。なぜならば、私を沼に沈めた人がスカラビア推しだからです。


熱砂の国はどこか?

結論から申し上げて、中東、中でもインド、アラブ圏、モロッコの特徴を見出すことができました。考察は以下の通りです。

 

まず名前から、「アラビア」とあたりをつけてみました。シリア、イラクサウジアラビアなどを中心としたアラビア半島の国々です。アラビア半島はその大半をアラビア砂漠が占めており、熱砂の国のイメージとも合致します。

 

【服装からの考察 スカラビア寮服】

スカラビア寮の皆さんのお召し物を見る限り、金色をたくさん使っています。カリムもジャミルもゴールドのアクセサリーを身に着けています。一般に、イスラム文化圏では男性は金を身に着けません。よって、イスラム文化圏とは考えにくい。アラブの文化圏でも、肌を出すことは少ないようです。あの辺はカラッカラで、気温が体温より高いので、長袖長ズボンじゃないとパッサパサになるしな。

ではスカラビア寮のみなさんのあの服装は何なのか。宝石が好きです、でもゴールドはもっと好きです、というところからは、地理的には少し離れたインドの風を感じます。インドでは金は繁栄と幸運、永遠のモチーフとして愛されています。貴金属山積みの宝物庫(※物置き)の感じからいっても、恐らく服飾や建築のモチーフはインド側であろうと考えられます。

そもそも、ディズニー映画「アラジン」の世界はインドの文化とアラブの文化の混合に中国をぶち込んだものであると考えられます。「アラジン」以前の「シンドバッドの冒険」や「アラビアン・ナイト」の挿絵の人はみんな長袖長ズボンでした。腕やおなかを出していたのは娼婦ぐらいです。それが「アラジン」以降、素肌にチョッキ着るようになりやがった。セクシーかよ。

 

【動物からの考察】

4章のリズミックで、砂漠を歩く際、ゾウとラクダを連れていました。ゾウは地域によって種類が違うので、手がかりになるかと思いましたが、残念ながら、リズミックで見られるゾウの姿からは、ゾウの種類を特定することはできませんでした。

ジャミルによると「赤いオウムは砂漠の魔術師の片腕」とのことでした。「アラジン」に出てくる赤いオウムは、モデルはベニコンゴウインコだと思われます。しかしあいつは南米原産。他に「赤いオウム」と呼ばれる可能性のあるモモイロインコやクルマサカオウムはオーストラリア産、いずれも新世界産です。旧世界産のオウムに「赤」のものは見つけられませんでした。変異個体なのかな。輸入品なのかな。

 

【食べ物からの考察】

グリムが食わされまくっていた、青かびチーズのクラッカーについて。シリア、エジプト、トルコで食されるシャンクリッシュには、青かびを生やすこともありますが、食べる前に洗い流され、スパイスをビッシリ擦り付けられて供されるので、果たしてこれを「青かびのチーズ」と呼ぶだろうか? という点が疑問。パンと一緒に食すこともあります。他の青かびチーズ情報をご存知の方がいたら教えてください。

カリムの寮服カードのストーリーにおいて、カリムの出身地では、カレー、バミヤ、サルタをよく食すとのことでした。カレーはインドで良く食される、スパイスの効いた煮込み料理を指す言葉ですが、インド人は一般的にはそれを「カレー」とは呼びません。ただ、インドに行けば観光客向けの「カレー屋さん」もあるわけで、果たしてカリムが異邦人に対して母国の食習慣を説明するときに「カレー」という語を使ったからと言って、インド周辺の出身でないと断定はできません。 

一方バミヤはアラブの西側、ないしエジプト料理とされる肉野菜煮込み。サルタもアラブの西側とくにイエメンで食される、いろんな具をスパイシーに煮て食う、雑煮ともシチューともつかぬ美味い汁物です。以上のことから、どちらかというとアラブに寄った地域なのではないかという気もするのですが、なんとも… 

【食べ物からの考察 甘いお茶】

ジェイドの制服カードのストーリーに置いて「お茶をケトルで煮出し、ハーブ2種類を入れたポットに注ぎ、砂糖をありったけ入れる」というお茶を「熱砂の国」のお茶として紹介していました。お茶にハーブも入れてクソほど砂糖足すといえば、モロッコのミントティーです。農作業に従事する人のカロリー補給に使ったというほど(スマートな都会人はそんな甘いのは飲まないらしい)。これは中国渡来の緑茶(日本の煎茶のような茶葉を蒸したものではなく、炒ったもの)をベースに作られています。

 

【名前からの考察 カリム・アルアジーム】

カリムは自分の名である「アル・アジーム」の「アル」について「熱砂の国の古い言葉で“息子”という意味」と説明していました。アラビア語で名の前に「Al-」を付して苗字とする際の「アル」は定冠詞であり、カリムの説明とは異なります。ただし、日本の創作界には、アラビア語圏の名字のアルに定冠詞以上のいろんな意味を付与する慣習があるので、そこに何らかの意図が隠されているかどうかはよく分かりません。

Kalimという綴りから、アラビア語であれば「話しかけられた人」という意味を取ることが可能です。もし名前に意味があるとすれば、その出生に「何かを聞いた」とか「何かから接触を持たれた」というルーツがある可能性と(親が意味を込めて名付けたパターン)、これから先、何かを聞いたり、何かから接触を持たれたりする可能性(制作者が意図をもって名付けたパターン)が考えられるでしょう。

 

【名前からの考察 ジャミル・バイパー】

ジャミルアラビア語由来で「美しい」の意味ですが、アラブ系では通常男性名として用いられることはありません。ジャミールという男性名が一般的なのは、ヨーロッパに寄りのトルコ、アフリカ寄りのエジプトです。もし彼が、スカラビア寮章のようなフードコブラ属の蛇をニョロつかせていれば、自信をもって「エジプトやね!」と申し上げるところですが、残念ながらジャミルが侍らせている蛇はどれもフードコブラ属の特徴であるもふぁっとした肋骨をお持ちではない(畳んでいるのかもしれないが)。姓のViperは「毒蛇」の意味ですが、狭い意味で取ってクサリヘビとしても、地理的には全然絞れません。残念。

 

結論:熱砂の国のモデルは中東。アラビア語と、インドのデザイン、モロッコの食文化の片鱗を見て取ることができました。

(あ)

謎めきスリーピー!ーシルバーに関する考察ー

3章読むとジェイドいいなぁと思ってしまうし、4章読むとスカラビアァァァ!となるし、お話が進むごとに好きなキャラが増えてしまうというのもツイステの醍醐味だなあと思う今日この頃。
さてそんな中、今日考察するのは、まだメインストーリーにそれほど出てきていないのに気になっちゃう彼。
突然眠くなってしまう美青年、シルバーについて考察したいと思います。

目次
・生い立ちについて
・モチーフはだれか
・描かれ方
・残る疑問点

◯生い立ちについて
シルバーの生い立ちについて、特筆すべきは「ファミリーネーム(名字)」がないことです。これはツイステキャラで唯一シルバーだけの設定です。
この理由については「名字が分からない」か、「名字を明かせない」、ふたつの理由が考えられると思います。
ここで見逃せないのがシルバー(式典服)のパーソナルストーリー「恩返しがしたい」です。
※未読の方はここで読むのを止めることを推奨します

ストーリーの中では、シルバーがイデアに自分の「親父殿」について語っています。
そこで語られるのは、シルバーの「親父殿」が「茨の谷」の領主の近衛兵であったことです。
シルバーの種族が「人間」であることは、耳の形からも分かると思います。(マレウスはじめ妖精はとがり耳ですよね)また、茨の谷においては、妖精と人間が敵対関係にあったことも、セベクなどの台詞からも垣間見られます。
パーソナルストーリーを読み進めると、この「親父殿」が彼の実父ではないこと、そして、それが誰かも分かります。
そう、彼が「親…リリア先輩」としばしば言い直していることからもうかがえるように、リリアが育ての親なのです。
リリアのホーム台詞「シルバーの式典服姿を見たか?この前までハイハイしておったのに」が、シルバーを育ててきた深い感慨によるものだったと分かったとき、私の涙腺はエンジェルフォールしてしまいました。
「俺が生きているのはマレウス様と親父殿のお蔭」とシルバーが言っていること、また、ファミリーネームがないことから、以下のふたつの可能性を考えています。
戦災孤児であった可能性
敵対する人間の孤児であるシルバーを、リリアがマレウスに嘆願して、生かし、育てたという可能性がひとつ考えられます。
理由はこの場合、たくさんの人間を討伐してきたことへの贖罪の意識、あるいは戦に疲れていたときにふと見た赤子のあまりのかわいさに殺せなかった、などが考えられるでしょう。
②本当の親から奪って育てた可能性
この場合、リリアとマレウスは、シルバーを受け入れた経緯を偽って教えていることになってしまうのですが、なんらかの理由でシルバーを手に入れる必要があり、奪い取った可能性もあります。この場合、ディアソムニアの章で、「騙された」「裏切られた」という意識から、シルバーが2人に歯向かう可能性があるのかなと考えます。これまでの章では、原典となる映画のストーリーをなぞるようにお話が展開してきているので、マレウスを討伐する役目をディアソムニア章でも誰かしらが担うはずです。こういう経緯がありうるなら、その役目はシルバーなのかなと考えています。

いずれにせよ、シルバーが今生きているのはマレウスやリリアの働きかけあってこそ、というのは間違いなさそうです。
シルバーは錬金術の授業で「永遠の命…」とつぶやきますが(特別授業でないperfect時)、これはもしかすると、2人に少しでも長く寄り添うための手段はないものか、という思いの表れなのかもしれません。

◯モチーフはだれか
フィリップ王子、フィリップ王子の剣、オーロラ姫と様々な候補が上がっていますが、私は「オーロラ姫」で当確かなと思っています。根拠をあげていきましょう。

・すぐ眠ってしまう
シルバー(実験着)のパーソナルストーリーで、シルバーの「なにをしてても、どこにいても眠くなってしまう」体質については、医者がさじを投げるほど原因不明、とされています。このことについて、私は「他者の干渉によって眠らされている」可能性を考えています。というのも、ツイステはこれまで原典となる映画を非常に丁寧になぞっており、原典でオーロラ姫はリリスの魔法によって眠らされていました。この点をなぞっている可能性は大いにあるのではないでしょうか。
そして、シルバーは自分が眠らされていることを知らないのではないかと考えています。パーソナルストーリーでも「自分の怠惰だ」と言っていますし、眠らされている自覚が本人になければ、医者に症状を事実通りに説明できないので、当然正しい診断はおりないでしょう。
さて、もしこういう筋書きだとすれば、問題は「だれが、なんのために」シルバーを眠らせているのか、ということになってきます。

目的としては以下のふたつの可能性を考えています。
①シルバーから魔力を奪う必要がある
この場合、魔力の消耗と、体力の消耗は一致するという世界観になるのですが、シルバーの魔力をなんらかの理由で搾取する必要があり、そのせいで眠くなっている可能性はあると思います。疲れて寝ちゃう、という感じですね。
②シルバーに見られてはいけないものがある
なにか彼に見られてはいけないものがあり、それを見せないために眠らせている可能性も捨てきれません。だとすると、「いつ、どこで、なにをしていても眠くなる」という眠りのうちのいくつかは、真意を知られないためのフェイクで眠らされているのかなと思っています。

だれが、については「リリア」「マレウス」「クロウリー」あたりがあり得るのかな。
リリア・マレウスは、茨の谷の事情を抱えている可能性がありますし、クロウリーは「少し眠くなってしまうだけです。あなたが気にするようなことではありませんよ。どうぞ安心して眠ってくださいね。私、優しいので」とか言いそうだな…と思っています。

・17歳という年齢
原典にあたる「眠り姫(旧題 眠れる森の美女)」では、オーロラ姫は16歳までに糸車の針で指を指して死ぬことになっています。この年齢を越えて成長していることこそが、シルバーがオーロラ姫のツイステッドワンダーランドでの姿であるという証左であるように思います。
くわしくはカリムきゅんの考察をご覧頂きたいのですが、原典でヴィランズでなかったキャラクターはなんらかの形の「ねじれ」が生じるようです。(貧乏なコソドロであるアラジンをモチーフにしているカリムが、富豪という設定になる、など)
このことから、やはり私はシルバーのモチーフはオーロラ姫なのかなと考えています。

・顔立ちの美しさ
シルバー(運動着)のパーソナルストーリーで、ヴィルをして「アリよりのアリ」と言わしめたシルバーの顔立ち。他にも美男子が数いる中でも際立っているということを表現するために、美へのこだわりが強いヴィルにこのように言わせたのかなと思います。原題「Sleeping Beauty」のBeautyという言葉に違わぬ美しさ、という表現のように思えてなりません。

・瞳の色
公式ガイドブックには、各キャラの瞳の色が記されていますが、シルバーは「オーロラシルバー」とされています。ちなみに同系色のカリムの髪色は「パールシルバー」と表現されています。このように「貴金属+色」で表現するなら、「オパールシルバー」などでもよかったはずです。わざわざ「オーロラ」という語を用いたところからも、モチーフはオーロラ姫で当確かなと私は考えています。

◯描かれ方
カリムとシルバーが「いらふわコンビ」(本人たちは天然でふわふわしているが、周りをイライラさせる、の意)であることは、レオナ(式典服)のパーソナルストーリーでラギーが語っている通りです。
アラジンのツイステッドワンダーランドでの姿と考えられるカリム(このことについてはくわしくはカリムの考察記事をご覧ください)と、オーロラ姫のツイステッドワンダーランドでの姿と考えられるシルバー。つまり、原典ではヴィランズではない、という共通項が二人にはあります。そのふたりが「周りをイライラさせている」という表現は、このふたりが本来ヴィランズ側の存在ではない、つまりナイトレイヴンカレッジの生徒になるはずではない人間であるということを、示しているのではないでしょうか。「浮いている存在」という感じの描き方ですよね。
カリムが「編入」という形で入学したことが5章で明かされましたが、シルバーもそのような特殊な入学経緯が今後明かされる可能性は大きいと思います。
それにしても、私はこのふわふわ天然コンビちゃん大好きなので、NRCの生徒になれるなら2年A組でお願いしたいところです。眺めて和みたい…。

◯残る疑問点
以上のように考察してきましたが、ここで問題になるのがアイコンです。なぜシルバーのアイコンが「剣」なのか、これは大いに疑問が残ります。
シルバー以外のキャラは、自身のモチーフとなったキャラやモノにちなんだアイコンを持っています。また、このモチーフは、ひとりひとつを原則としているように思えますし、モチーフに正しく沿っているように思います。
シルバーの「剣」のアイコンは、フィリップ王子の剣とも形が少し違うようなので、これがなんの象徴なのか大変気になります。
マレウスを守る騎士としての剣なのか、はたまたマレウスを討たんとする剣なのか。追加情報が待ち遠しいです。


以上、シルバー君の腕の筋肉に胸キュンなみどりがお送りしました!(み)