考察コーペレーション!

ツイステッドワンダーランドの考察サイト。性格がてんで違う友達ふたり、あおばとみどりで運営してます。

混淆オリエント! ―熱砂の国はどこか?―

ごそれぞれの寮・キャラに特色のある「ツイステットワンダーランド」ですが、どうやら、かなり、世界観の作り込みも丁寧なようです。

ここでは、各キャラの出身地のモデルなどを探していこうと思います。
推しの出身地を正確に推定することができれば、推しと同じものを食べ、推しと同じ服を着、推しと同じ暮らしをすることも夢ではありません。夢のようですね。では頑張ってまいりましょう。

記念すべき第一回は「熱砂の国」です。なぜならば、私を沼に沈めた人がスカラビア推しだからです。


熱砂の国はどこか?

結論から申し上げて、中東、中でもインド、アラブ圏、モロッコの特徴を見出すことができました。考察は以下の通りです。

 

まず名前から、「アラビア」とあたりをつけてみました。シリア、イラクサウジアラビアなどを中心としたアラビア半島の国々です。アラビア半島はその大半をアラビア砂漠が占めており、熱砂の国のイメージとも合致します。

 

【服装からの考察 スカラビア寮服】

スカラビア寮の皆さんのお召し物を見る限り、金色をたくさん使っています。カリムもジャミルもゴールドのアクセサリーを身に着けています。一般に、イスラム文化圏では男性は金を身に着けません。よって、イスラム文化圏とは考えにくい。アラブの文化圏でも、肌を出すことは少ないようです。あの辺はカラッカラで、気温が体温より高いので、長袖長ズボンじゃないとパッサパサになるしな。

ではスカラビア寮のみなさんのあの服装は何なのか。宝石が好きです、でもゴールドはもっと好きです、というところからは、地理的には少し離れたインドの風を感じます。インドでは金は繁栄と幸運、永遠のモチーフとして愛されています。貴金属山積みの宝物庫(※物置き)の感じからいっても、恐らく服飾や建築のモチーフはインド側であろうと考えられます。

そもそも、ディズニー映画「アラジン」の世界はインドの文化とアラブの文化の混合に中国をぶち込んだものであると考えられます。「アラジン」以前の「シンドバッドの冒険」や「アラビアン・ナイト」の挿絵の人はみんな長袖長ズボンでした。腕やおなかを出していたのは娼婦ぐらいです。それが「アラジン」以降、素肌にチョッキ着るようになりやがった。セクシーかよ。

 

【動物からの考察】

4章のリズミックで、砂漠を歩く際、ゾウとラクダを連れていました。ゾウは地域によって種類が違うので、手がかりになるかと思いましたが、残念ながら、リズミックで見られるゾウの姿からは、ゾウの種類を特定することはできませんでした。

ジャミルによると「赤いオウムは砂漠の魔術師の片腕」とのことでした。「アラジン」に出てくる赤いオウムは、モデルはベニコンゴウインコだと思われます。しかしあいつは南米原産。他に「赤いオウム」と呼ばれる可能性のあるモモイロインコやクルマサカオウムはオーストラリア産、いずれも新世界産です。旧世界産のオウムに「赤」のものは見つけられませんでした。変異個体なのかな。輸入品なのかな。

 

【食べ物からの考察】

グリムが食わされまくっていた、青かびチーズのクラッカーについて。シリア、エジプト、トルコで食されるシャンクリッシュには、青かびを生やすこともありますが、食べる前に洗い流され、スパイスをビッシリ擦り付けられて供されるので、果たしてこれを「青かびのチーズ」と呼ぶだろうか? という点が疑問。パンと一緒に食すこともあります。他の青かびチーズ情報をご存知の方がいたら教えてください。

カリムの寮服カードのストーリーにおいて、カリムの出身地では、カレー、バミヤ、サルタをよく食すとのことでした。カレーはインドで良く食される、スパイスの効いた煮込み料理を指す言葉ですが、インド人は一般的にはそれを「カレー」とは呼びません。ただ、インドに行けば観光客向けの「カレー屋さん」もあるわけで、果たしてカリムが異邦人に対して母国の食習慣を説明するときに「カレー」という語を使ったからと言って、インド周辺の出身でないと断定はできません。 

一方バミヤはアラブの西側、ないしエジプト料理とされる肉野菜煮込み。サルタもアラブの西側とくにイエメンで食される、いろんな具をスパイシーに煮て食う、雑煮ともシチューともつかぬ美味い汁物です。以上のことから、どちらかというとアラブに寄った地域なのではないかという気もするのですが、なんとも… 

【食べ物からの考察 甘いお茶】

ジェイドの制服カードのストーリーに置いて「お茶をケトルで煮出し、ハーブ2種類を入れたポットに注ぎ、砂糖をありったけ入れる」というお茶を「熱砂の国」のお茶として紹介していました。お茶にハーブも入れてクソほど砂糖足すといえば、モロッコのミントティーです。農作業に従事する人のカロリー補給に使ったというほど(スマートな都会人はそんな甘いのは飲まないらしい)。これは中国渡来の緑茶(日本の煎茶のような茶葉を蒸したものではなく、炒ったもの)をベースに作られています。

 

【名前からの考察 カリム・アルアジーム】

カリムは自分の名である「アル・アジーム」の「アル」について「熱砂の国の古い言葉で“息子”という意味」と説明していました。アラビア語で名の前に「Al-」を付して苗字とする際の「アル」は定冠詞であり、カリムの説明とは異なります。ただし、日本の創作界には、アラビア語圏の名字のアルに定冠詞以上のいろんな意味を付与する慣習があるので、そこに何らかの意図が隠されているかどうかはよく分かりません。

Kalimという綴りから、アラビア語であれば「話しかけられた人」という意味を取ることが可能です。もし名前に意味があるとすれば、その出生に「何かを聞いた」とか「何かから接触を持たれた」というルーツがある可能性と(親が意味を込めて名付けたパターン)、これから先、何かを聞いたり、何かから接触を持たれたりする可能性(制作者が意図をもって名付けたパターン)が考えられるでしょう。

 

【名前からの考察 ジャミル・バイパー】

ジャミルアラビア語由来で「美しい」の意味ですが、アラブ系では通常男性名として用いられることはありません。ジャミールという男性名が一般的なのは、ヨーロッパに寄りのトルコ、アフリカ寄りのエジプトです。もし彼が、スカラビア寮章のようなフードコブラ属の蛇をニョロつかせていれば、自信をもって「エジプトやね!」と申し上げるところですが、残念ながらジャミルが侍らせている蛇はどれもフードコブラ属の特徴であるもふぁっとした肋骨をお持ちではない(畳んでいるのかもしれないが)。姓のViperは「毒蛇」の意味ですが、狭い意味で取ってクサリヘビとしても、地理的には全然絞れません。残念。

 

結論:熱砂の国のモデルは中東。アラビア語と、インドのデザイン、モロッコの食文化の片鱗を見て取ることができました。

(あ)