考察コーペレーション!

ツイステッドワンダーランドの考察サイト。性格がてんで違う友達ふたり、あおばとみどりで運営してます。

機巧ハートウォーミング!ーオルトについての考察ー

さて、スケアリーモンスターズ真っ只中ではありますが、5章の次に来るであろう、イグニハイド編に備えて、今日は謎多きキューティー蒼井翔太さんボイス・オルト君について考察しておきたいと思います。
先日、相方・あおばたそと『ヘラクレス』上映会もしまして、それをふまえた考察になっています。パーソナルエピソードの内容や過去イベントストーリーもふんだんに出てきますので、イデア&オルト兄弟のカード収集が進んでいない方や、『ヘラクレス』をご覧になったことがない方は回れ右でお願いします。

だいじょうぶな方はこの兄弟の尊みに、共に涙しましょう。ハンカチ持参でよろしくお願いします。


目次
・生い立ち
・モチーフはだれか
・描かれかた
・今後の展開


〇生い立ち
オルト(実験着)の台詞で「僕を作った兄さんの方がすごいよ」と言ってますので、イデアが作った「なにか」であることは間違いないでしょう。
イデア(式典服)でリドルが「あのロボット」と言っているように、周りはロボットだと理解しているようですが、イデア先輩の技術力、オルト君の胸でドキドキと脈打つ炎、などを鑑みると、「(一般的な)ロボット」とは一線を画す存在かもしれません。
ちなみにイベント『星に願いを』で、イデア自身も「宇宙と人型ロボのコラボはロマンですし」と言ってるのですが、彼の場合、このあとに「(といっても、オルトきゅんはただの人型ロボではなく拙者が持ちうる技術を結集させた◯◯と言った方が正確なんですけどね!)」とか思っていてもおかしくはないかなと思います。
ただし、身体についてはアズール(実験着)でグリムが「オルトって本当にマシンなんだな」と言っているように、やはり完全な機械で、臓器などは一切含まないもののようです。
ですので、見た目では分からない要素、たとえば「魂」などがあの身体に宿っている可能性はあるかなというのが、みどりの見解です。

『星に願いを』で、レオナに「弟はお前と性格が全然違うな」と指摘された際に、イデアは「オルトは素直で明るくて人見知りもしない。今のオルトもその性格は継承していて…」と答えます。
「継承」ということは、元となるものがあり、「今のオルト」はそこからなにかを引き継いでいる、ということ。ここでは「オリジナルオルト」とも呼ぶべき存在が先にいて、今の機械のオルトへ「性格」をなんらかの方法で引き継がせた、というニュアンスが感じられます。

私はツイステを始めた当初、オルトはイデアが作った助手ロボットのようなものなのかなと思っていました。(弟というのは架空の設定、ということ)
しかし、『星に願いを』で、ふたりは『スターローグ』というゲームについての「思い出」を語り始めます。イデア(星送りの衣)の台詞です。

「兄さん、本当に好きだよね。そのレトロゲーム。」
「オルトも好きだったろ?2人で何度全クリしたことか。」
「やりすぎて、ゲーム機の電源コード隠されたこともあったっけ」

これはまさに「オリジナルオルト」と、イデアの思い出だと言えるでしょう。きっとどこのご家庭でも一度はある、電源コード隠しが微笑ましい思い出です。
このやりとりのあと、イデアはこう思います。

「(……オルトがあの祭りに真剣なのは、拙者の願いを叶えたいから)」
「(そして、'今の'オルトと僕の思い出(メモリー)を増やしたいからだ)」

さて、ここで問題なのは「オリジナルオルト」とはなんだったのか、です。生身の人間「オルト=シュラウド」がいたのか、それともオルト初号機的なものがいたのか。
ここで重要台詞がオンパレードのオルト(実験着)の台詞を見てみましょう。

オルトを前にイデアが、
「お前にこんなにたくさんの機能をつけて、僕はなにがしたかったんだろう。最先端の医療ツールなんか今更つけても意味なんかないのに…」
「だって……、だって、元はといえば、僕が……」
とうなだれます。

ここで重要になるのが、リリースカウントダウンイラストに添えられた台詞です。攻略サイトなどに残されてますので、探してみてください。
オルトの台詞は「キミは生きてる人?だったら兄さんの友達になってよ」でした。

これに前述の内容をふまえると、

★オリジナルオルトと呼ぶべき存在はもう亡くなっており、その原因にはイデアが関わっている
★オルトの死は医療介入で避けられたかもしれない
★オルトの現在の身体に、生身(脳や心臓などの臓器)はなさそう
★オルトは兄さんに「生きてる『友達』」が必要だと思っている

というパーソナリティーが推察できると思います。
原典『ヘラクレス』では「星」が重要なモチーフになっていますが、それを考えると、イデアとオルトの「これまで」を垣間見せるのに『星に願いを』ほど適格のイベントはなかったのでしょうね。
私は問題解決の方法といい、『星に願いを』は大好きなイベントでした。相方・あおばが、そのときはまだツイステをしていなかったので、運営さん、早くイベントの復刻してくださいまし。

〇モチーフはだれか
さて、これについてはどこの考察サイトも難航していて、地獄の番犬・ケルベロスの弟「オルトロス」が名前の由来だろう、ということにのみ言及している方が多いかなという印象です。
今回はあえてその「考察沼」にギャアアアとハマりながら、更に深い検討をしていきたいと思います。(ズブズブズブ)

結論から申し上げると、私は『ヘラクレス』の主人公、「ヘラクレス」がオルトのモチーフなのではないかと考えています。
理由をあげていきましょう。

★「永遠の命を奪われたヘラクレス」と「永遠の命(身体)を与えられたオルト」というツイステッドとして読み解くことができる
原典『ヘラクレス』で、ヘラクレスはハデスにより神の子の身体(永遠の命の身体)を、人の子の身体(有限の命の身体)に変えられてしまいます。
原典でヒーローであったキャラをモチーフに持つ人物に「ツイステッド(設定のねじれ)」が起きていると考えられることについては、カリムきゅんの考察記事で書きました。よければぜひ、そちらとあわせて読んで頂きたいのですが、さておき。
『ツイステッドワンダーランド』という作品は、原典のストーリー展開や台詞を、非常に大切になぞっています。
オルトがヘラクレスモチーフだとすると、この冒頭の展開がキレイに回収されることになります。

★「ハデスを滅ぼす存在」から「イデアを支える存在」へのツイステッドとして読むことができる
原典『ヘラクレス』では、ヘラクレスはハデスの野望を打ち砕くと予言された存在でした。(だからこそハデスはなんとかしてヘラクレスを排除しようとしたわけです)
オルトはむしろ、その逆で、「兄さん」が大好きで、おかあちゃんかしら?というくらいイデアのことを気にかけています。(詳しくは次項)
私がこのブログで度々申し上げている「原典主人公をモチーフに持つキャラに起こるツイステッド」が、意図的に設定されてるなら、これもヘラクレスのツイステッドとしてみていいのかなと思います。

★強靭なパワー
ヘラクレスは腕っぷしの強さ、オルトは搭載してるアタッチメント(主に魔導エネルギー砲)の強さという違いがありますが、一応「見かけによらないパワーの持ち主」という共通項があります。
ヘラクレスは赤ちゃんの段階で、ハデスの指を赤子の手をひねるようにメシャッとしますし(赤子なのに)、オルト君はキュートな見た目の割に兵器ばりの機能を搭載していますよね。

★素直で明るい性格
原典『ヘラクレス』のヘラクレスは、少年期こそ友達のいない自分をふりかえり、「ここは僕の居場所じゃないような気がする」とこぼしたりもしますが、基本的には明るい性格をしています。
ヒロイン・メグも「彼は正直で、私を裏切ったりしない」と言っています。
「子どもらしさ」の表現としての、素直さ、明るさかなとも思いますが、ヘラクレスの性質を表現しているとみてもいいのかなというのが私の見解です。

〇描かれかた
オルトは『ツイステッドワンダーランド』でも、とても特殊なキャラで、年齢は「不明」(マレウスや、リリアは『???』)、得意科目や好きなものなど、ほぼすべての項目が「なし」となっています。
そのなかで明記されている数少ない情報が、「趣味 ボードゲーム」「嫌いなもの 落雷」というものです。
静電気でデータが飛ぶなんていうくらいですから、そりゃあ落雷は怖いですよね。彼の大事な「メモリー(思い出)」が飛んでしまうわけですから。(そもそも、それだけじゃ済まない気もしますが…)
趣味がボードゲームというところは、イデアボードゲーム部であることを思い起こさせますよね。イデアの方は「趣味 コンピューターゲーム」となっていますから、あえて「ボードゲーム」としているのは、なにか思い出がそこにあるのかもしれません。

それほどにオルトにとって、「兄さん」は大切な存在です。『星に願いを』では、ラギーに「もっと自分の欲望をむき出しにした方がいい」と言われ、心のなかでオルトはこうつぶやきます。

「僕の願い…僕の欲望…」
「それが'兄さん'なんだ」
「兄さんの願いが叶うことが 僕の一番嬉しいことなんだ」

これを読んだとき、私の涙はもうナイアガラの滝でした。
オルトにとっては、「兄さん」こそが、すべての原動力なのでしょうね。


・今後の展開
さて、前述した通り、オルトのカウントダウン台詞は「キミは生きてる人?だったら、兄さんの友達になってよ」でした。
また、オルトはしばしば「兄さんは本当はすごい人なんだ」と言っています。

こうした発言に、ここまでの考察をふまえますと、可能性としては

★オルトの死をキッカケに、イデアの性格が豹変してしまった(前はもっと社交的だった、など)
★自分の存在が兄さんの「足かせ」になっているようにオルトは感じている(オルトとの過去がイデアの行動を制限している、など)

といった関係が、この兄弟の間にはあるのではないかと推察されます。
となってくると、6章では兄弟の過去が明らかにされると共に、イデア、オルトのふたりが互いに互いから「解放」されるという展開になるのかなあと思っています。
イデアはオルトに遠慮せず自己実現し、オルトもイデアの今後を心配せずによくなる…というような感じでしょうか?


ということでオルト=シュラウド君について、考察してみました。
私から申し上げたいのはひとつ。

兄さんとしあわせになって…
思い出もいっぱい作って…

私の願いはただそれだけです!

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!(み)