考察コーペレーション!

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寒冷コーラルリーフ! ―珊瑚の海はどこか?―

こんにちは。暑さ寒さに弱い、あおばです。そろそろ冬眠しようかと思います。

さて、本日は、「想像より寒くて暗いと思うのではないでしょうか(ジェイド:制服)」と紹介される、珊瑚の海のモデルを考えてみました。

「珊瑚の海」の位置についてまず大きな手掛かりは、「アズールと僕たち兄弟の故郷は珊瑚の海の中でも北の方でして。この時期は海面が流氷で覆われるんです(4章4話)」「氷が溶けた春休みに帰ることにしてんだ(4章4話)」という説明である。北が流氷に覆われる、というところから、北にいくほど寒い、ということが分かる。つまり、地球と同等の条件であれば、北半球にあると考えられる。また、冬は流氷に覆われ、春になると氷は溶ける。この条件に沿って、モデルの候補を北半球から探していこう。

 

アトランティカ記念博物館」は、リトルマーメイドの舞台になった深海の王国「アトランティカ」を記念したものと考えて良いだろう。ディズニー映画「リトルマーメイド」の舞台であるアトランティカの位置は、カリブ海であるように思われる。セバスチャンはカリプソを愛し、カリビアン訛りで喋る。珊瑚礁や魚の雰囲気も申し分なくカリブ海だ。ベネズエラトリニダード・トバゴあたりに接する位置であると思われる。北大西洋アメリカ側だ。これを一つ目の候補とする。

 

一方で、アトランティカが”アトランティス”を指すとするなら、どうか。アトランティスは「ジブラルタル海峡のすぐ外の大西洋」に沈んだ大陸である。これは北大西洋を渡ってアフリカ側だ。アズールの実家は「リストランテ」であるが、リストランテはイタリア語でレストランの意味である。おそらくイタリアンのレストランなのであろう。ジブラルタル海峡を一歩入れば地中海である。イタリアンレストランが世界のどこにあっても構わないが、もしイタリアにあるなら、アズールの実家は地中海であろう。地中海からジブラルタル海峡周辺のエリア、これを二つ目の候補とする。

 

しかし、カリブ海にしても地中海にしても、流氷は見られない。河川からの流入も期待できない。流氷の存在を前提とするのであれば、アズールたちの実家がカリブ海または地中海付近であるとは考えにくい。もっと高緯度の海域でなくてはならない。


そこで三つ目の候補である。リトルマーメイドの原作とされる「人魚姫」、著者のアンデルセンデンマークの出身である。有名な「人魚姫の像」はコペンハーゲンにあり、位置としてはバルト海と北海を結ぶエーレスンド海峡に面している。バルト海の北部~北海は冬に凍結するため、このエリアが「珊瑚の海」だと仮定してもよさそうだ。バルト海オホーツク海ぐらいの緯度なので、「意外と寒い」。というかそのぐらい寒くないと流氷は流れてこない。

しかし、そんな寒いところにサンゴは生息するのだろうか?


サンゴ礁のサンゴ、すなわち造礁サンゴは、共生する褐虫藻光合成をおこなわせるため、水深40m未満で光の届く透明度の高い場所と、18〜30℃であたたかい海水を好む。このタイプのサンゴは、流氷が流れ着くような水温の場所には生息できない。バルト海は寒く、サンゴ礁はできない。
対して、陰日性のサンゴ、すなわちソフトコーラルの一部や宝石サンゴと呼ばれるものなどの、褐虫藻を共生させないタイプのサンゴは、より寒くて暗い海に住むことができる。光の届かない1000mの深海底に住むものも多い。造礁サンゴのようなボリュームと華やかさはないが、色彩はなかなかである。北極圏の薄暗い海でも色鮮やかなソフトコーラルなどが見られるため、このタイプのサンゴが生えていれば、「サンゴの海」を名乗ることはできよう。

 

では、造礁サンゴの生息できないエリアに、タコやウツボは住めるのか?

 

ウツボは様々な種を含むが、いずれも温暖な海の浅瀬にしか生息せず、バルト海や北海で出会うのは厳しそうだ。

タコの分布は種により異なるが、イタリアでもノルウェーでも釣れるのだから、北海にもいると思われる、たぶん。分かんない。しかし、アズールとリーチ兄弟は人魚であって魚介類ではないので、生物としてのタコやウツボの生息域は手がかりとしては弱いのかもしれない。


以上の考察から、ここでは、アズールとリーチ兄弟の出身地である「珊瑚の海」は、人魚姫の祖国デンマークを囲む「バルト海~北海」に近い領域であると結論づけたい。現段階で直接の描写はないが、「リトル・マーメイド」の舞台=アズールらの出身地であるということが確定すれば、「珊瑚の海」は「北大西洋」に相当するエリアということになるだろう。